インターンシップ
インターンシップ

最近改めて、企業と人材のマッチングは難しいと感じる。
同僚ともそういう話をしていた。

もちろん私の面接官としてのスキルの不足もあるだろう。
しかし、採用する側もされる側もそうだが、やはり2回程度の面接だとお互いがマッチングする会社かどうかは正直わかりづらい。
私もかなり転職をしているが、働いてみて数か月を経てわかることも多々ある。

ではインターンシップを経てから入社するのはどうだろう。
日本の新卒採用におけるインターンシップは、せいぜい1日〜1週間程度のものがほとんどであり、かつ内容もワークショップ的・社会科見学的な内容だ。
つまり、本当に「働く」ものではない。

何故そのようなことになっているのだろう。
それは、日本の法律による影響が大きいと考える。

例えばインターン生が、労働基準法第9条の「労働者」と見なされるケースでは給料を払わなければならない。インターン生を労働者と見なす場合は、最低賃金法や労働基準法などの労働関係法規が適用され、最低賃金以下や無給で働かせることは労働基準法違反に当たる。

また、旧労働省の行政通達(平成9年9月18日基第636号)によれば、「労働者」に該当するかを判断する基準は、

(1)企業とインターン生の間に実質的な指揮命令関係があったか、
(2)企業がインターン生の作業によって利益や効果を得たか、

の2点である。

つまり、「見学」や「体験」の域を超えてアルバイト同様の働き方をさせておきながら、いわゆる「タダ働き」をさせたり、インターン生に制作させた資料や成果物を企業の利益のために利用したりすることは認められていない。

また、受入企業は安全配慮義務を負っており、インターンシップ中に事故やけが、ハラスメントなどが起きないように配慮する必要がある。 更に、「労働者」と見なされるケースでは労災保険が適用される。

要するに新卒で大勢の学生を一括で採用することを考えると、コストや手間が非常にかかるのだ。

これらのことがあり、新卒一括採用が主流の日本企業のインターンシップは極めて社会科見学的なものとなっている。

しかし、インターンシップが当たり前となりながらも七五三現象と言われる日本の新卒離職率は以前とさほど変化はない。
学歴別の3年以内離職率は、中学卒62.4%、高校卒39.2%、短大等卒42.0%、大学卒32.0%(平成28年度3月卒業者:厚生労働省発表)となっている。

つまり現在のインターンシップはミスマッチ解消には繋がらず、新規学卒者の離職率を改善するものではないことが伺える。

では、海外はどうだろう。

そもそも海外は新卒採用はない。新卒一括採用があるのは日本だけである。
海外では、希望の企業で長期間のインターンシップやアルバイトをしたり、ボランティアで経験を積んだ後、改めて企業に「即戦力」として就職をする。
また、卒業後自分のキャリアを決めるために様々な経験を積んでから就職することが多い。

例えばドイツの大学では、多くの学部が無給6週間フルタイムのインターンを必修にしており、学生であっても即戦力を求められている。

日本のように1日だけのワークショップのような内容ではない。
ドイツは、「実務経験を積む」ことが目的なので、インターン生であっても、
優秀ならばどんどん仕事を任されるため、本当の意味で、その職種や業界、会社を理解することに繋がる。

海外は転職が当たり前の風土なので、定着率での比較は正直し難いが、職種や業界、会社を理解するためにはとても良い仕組みだと私自身は感じる。

「本当に仕事をする」インターンシップは、「本当の」仕事や会社理解に繋がり、双方にとってマッチングがしやすくなるものと思われる。

新卒一括採用
新卒一括採用

今後日本でも、新卒一括採用が2021年に入社する学生から廃止するとの経団連の会長の発言からあるように、新卒一括採用が徐々になくなっていくと思われる。

新卒採用の必要がなくなれば、中途採用の割合が自ずと増えていくだろう。中途採用は経験を求められるため、求職者は実務経験を積む必要が出てくる。それは、海外のような、本当の意味でのインターンシップやアルバイトを経験してから就職することに繋がっていく。

だからといってミスマッチが完全になくなるわけではないし、企業側のコスト面の問題もあるだろうが、今後日本においても「本当に働くことを理解できる機会」が増えていくことを期待したい。

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